【汐留にて】

★村野藤吾ー建築とインテリア ひとをつくる空間の美学
開催初日は、旅先にいるので、備忘録代わりに、ココにメモ。折を見て、足を運びたいと考えています。我らが見て回った、村野建築巡礼ガイドマップ・関西編はこちら。
【東京カテドラル聖マリア大聖堂にて】

★東京カテドラル聖マリア大聖堂(丹下健三・1964)
〜目白バ・ロック音楽祭祝祭合唱団 結成記念コンサート〜オランダの若手指揮者、ペーター・ダイクストラに率いられた合唱団で、バッハやメンデルスゾーンなどの合唱曲を鑑賞しました。
祝祭合唱団はわずか16人のコーラスですが、50人の歌声かのような重厚なハーモニーは、聖マリア大聖堂の、圧倒的な存在感で迫り来るコンクリートの壁を押し広げるように、大聖堂全体を包み込み、やがて一直線に天上界へと吸い込まれていきました。「人間の声」が神秘的なほどに繊細で、かつ、建物を揺るがすほどにダイナミックなものであったとは。「二重合唱」という合唱団を二組に分けて、互いに掛け合ったり、同時に歌ったりする曲は圧巻でした。互いの旋律が複雑に絡み合い、言葉では表現できない、神聖な和音となって、我らの心に響きます。
通奏低音(伴奏)は小さなオルガンと、ヴィオローネ。ヴィオローネは、コントラバスの祖先の楽器で、実物は初めてみました。見た目はチェロですが、それとは違う味わいの音色を醸し出します。大きなヴィオラ・ダ・ガンバ(ヴァイオリンのような楽器)という意味のヴィオローネですが、イタリア語では後ろに「-one(オーネ)」をつけると、大きいという意味になります。リュートの大きいのがキタローネ、マンドリンの大きいのがマンドローネ、ちなみに「小さな、かわいいもの」を表すのは「-ina(イーナ)」です。
普段は馴染みのない、合唱と教会音楽に触れて、人間と音楽との関わり合いや歴史、またそれを受け止める建物の役割を見直すきっかけになりました。
【田町・三田にて】

★東京中央郵便局(吉田鉄郎・1931)
富山テレビ制作の特集番組「平凡なるもの〜建築家 吉田鉄郎物語〜」の上映会が行われました。ドイツ取材で発見された、吉田鉄郎自筆の原稿、富山・吉田鉄郎生家跡となりの敷地に、氏が設計した離れを発見、ストックホルム市庁舎の八角形の柱と、東京中央郵便局の八角形の柱とのかかわり……などを丹念に取材した、ドキュメンタリーです。吉田鉄郎という人物、氏が手がけた建築を知らなくても、伝わるものがある良作でしたので、BSやCSのwebサイトに、番組放映リクエストを投稿している、我らです。
【トンボの湯にて】
軽井沢・名作建築巡礼の帰り道、「星野温泉トンボの湯」に立ち寄りました。建築家・東利恵とランドスケープデザイナー・長谷川浩己のコラボ温泉。雑木林に連なる切妻屋根は、遠目に見ても印象的。軒の深い回廊も、落ち着いた雰囲気を醸し出しています。中庭には水路が流れ、男湯と女湯が対称形に建っていて、これは、街道筋の町並みをイメージしている、とのこと。湯船の中に、腰掛けられる段差があるので、ゆったりと半身浴ができるのは、うれしい配慮でした。
【宗伝寺にて】

★チョー!立体!コテ絵!
高崎建築巡りの首領(ドン)、H氏主催の鏝(こて)絵見学会に参加しました。鏝絵とは、壁を塗る漆喰で作られたレリーフで、左官職人が鏝を用いて描くことから、この名がつきました。鏝絵といえば、芸術の域まで高めた職人、伊豆の長八美術館でおなじみの「入江長八」、または、50件の鏝絵が見学できる、「大分県・安心院(あじむ)町」が有名ですが、宗伝寺の鏝絵は、それらとは大きく一線を画しています。職人仕事の緻密さに、ユーモラスな雰囲気、ストーリー性を併せもつ、大胆な立体構図には、目を瞠るばかり。

★伊豆の長八美術館 設計:石山修武(1985)
「何で、この鏝絵が、無名なんだ……!?」驚きを隠せない我らの隣で、自身が、はじめて宗伝寺の鏝絵に「対面」したときの興奮を語るH氏は、歴史的建築物の調査活動をきっかけに、高崎哲学堂(旧・井上邸)の見学会を開催し、高崎哲学堂の再評価につなげた第一人者です。また、高崎市民新聞で、古い建造物を紹介する連載をもつかたわら、記事で取り上げた建築を、自らのナビゲーションで高崎市民に「啓蒙」する実績が認められ、個人では初の「たかさき都市景観賞・活動部門」を受賞されました。
【水戸にて】

★水戸芸術館
ビザ更新のため一時帰国中の友人と、水戸の建築を探訪。水戸地方気象台(堀口捨己)、茨城県公館(大江宏)、水戸芸術館(磯崎新)、茨城県民文化センター(芦原義信)、江山閣(妹島和世)……など巡りながら、ヨタ話に興じます。

★ ART TOWERにのぼり、水戸芸術館を見下ろす
「ねえ、『ハチミツとクローバー』の続編が、好評連載中って、ホント?」
「ああ、『ハチミツとクローバー・ゴールド』だろ?」
「違うよ!『ハチミツとクローバー・マキシマム』だよ!」

★茨城県民文化センター
ウソウソホント、ホントウソ。ところで建築評論家の植田実氏が『ハチクロ』は56回読み返してもまだ面白い、と仰ってるのは、ホントの話、です。
【旧安田楠雄邸にて】

open! architecutureの都市楽師プロジェクト「邸宅建築でリュートを愉しむ」に参加しました。会場は、千駄木から団子坂を上った、ひときわ緑豊かな一角、旧安田楠雄邸です。大正7年に建てられたお屋敷ですが、「建物に生活感がある」ことにおどろきました。12年前まで、現役の住居だったそうで、和室の畳床や襖、洋間のカーテンなど、建築当時のものが、ほとんどそのまま使われています。お住まいになっていた方々の、建物に対する愛着が、部屋の隅々から伝わってきます。 お庭もたいへん美しく、都の名勝に指定されています。
演奏は「回遊式」で進行します。まず、洋間のサンルームの縁側で演奏するリュート奏者を、和室大広間の廊下からお庭越しに鑑賞。次に、舞台を大広間に移しての演奏。最後に、2階の大広間での演奏。幕間に、建物の解説も交える、趣向あふれる演奏会です。

リュートは、生で聴くのも、実際に楽器を見るのも初めてです。軽やかで繊細な音色、時として響く厚みのある低音は、ギターよりもはるかに表情豊かです。おりしも降り出した雨が、街の雑音を打ち消し、伴奏となって、リュートの演奏を際立たせます。新緑の葉っぱの上を転がり落ちる、雨音の粒のようなリュートの一音一音が、築80年の歳月を、刻んだお屋敷に浮遊し、隅々まで散らばっては、消えていきます。大正和風建築の空間と、中世ルネッサンス・バロック期のヨーロッパ音楽が織りなす、フュージョンとコントラストに、心洗われるひととき、でした。
【宜野湾にて】
ネーネーズのホームグラウンド「ライブハウス島唄」(現在は宜野湾から那覇に移転)でライブを鑑賞しました。21時半スタート、1ステージ40分×3回の公演。「各ステージ、同じ曲は演奏しません」と宣言するだけあって、琉球民謡からスピッツ、ボブ・マーリィのカバーと、幅広いレパートリーです。初代、二代目、三代目……メンバーチェンジを重ねても、脈々と、淡々と、【ネーネーズ】を続ける、彼女たち。実に、腰の座ったライブでありました。

★客席最前席で、食い入るようにステージを見ていた、小学生の女の子。
10年後は彼女が、ネーネーズに在籍してるのかな。

★客席最前席で、食い入るようにステージを見ていた、小学生の女の子。
10年後は彼女が、ネーネーズに在籍してるのかな。
【上ル下ル東入ル西入ル にて】

★HOTEL SCREEN KYOTO
DOCOMOMO Japan主催:「聴竹居」〜「京都会館」〜「国立京都国際会館」見学会に参加し、【ごいっちゃん】こと武田五一の作品をはじめ、京都の建築を見て回りました。偶然、管理者様にお会いして「本野精吾自邸」を見学させていただく……など、大収穫の旅でした。『京都は、山に囲まれ、空気すら密閉される盆地だけど、川が貫いていることで、なにかが生まれる不思議な土地です。』とは、京都に精通する友人の言葉ですが、まったくその通りでありました。京都建築ガイドマップは こちら。

