我らの流儀

【旧安田楠雄邸にて】

邸宅建築でリュートを愉しむ

open! architecutureの都市楽師プロジェクト「邸宅建築でリュートを愉しむ」に参加しました。会場は、千駄木から団子坂を上った、ひときわ緑豊かな一角、旧安田楠雄邸です。大正7年に建てられたお屋敷ですが、「建物に生活感がある」ことにおどろきました。12年前まで、現役の住居だったそうで、和室の畳床や襖、洋間のカーテンなど、建築当時のものが、ほとんどそのまま使われています。お住まいになっていた方々の、建物に対する愛着が、部屋の隅々から伝わってきます。 お庭もたいへん美しく、都の名勝に指定されています。

演奏は「回遊式」で進行します。まず、洋間のサンルームの縁側で演奏するリュート奏者を、和室大広間の廊下からお庭越しに鑑賞。次に、舞台を大広間に移しての演奏。最後に、2階の大広間での演奏。幕間に、建物の解説も交える、趣向あふれる演奏会です。

旧安田邸台所

リュートは、生で聴くのも、実際に楽器を見るのも初めてです。軽やかで繊細な音色、時として響く厚みのある低音は、ギターよりもはるかに表情豊かです。おりしも降り出した雨が、街の雑音を打ち消し、伴奏となって、リュートの演奏を際立たせます。新緑の葉っぱの上を転がり落ちる、雨音の粒のようなリュートの一音一音が、築80年の歳月を、刻んだお屋敷に浮遊し、隅々まで散らばっては、消えていきます。大正和風建築の空間と、中世ルネッサンス・バロック期のヨーロッパ音楽が織りなす、フュージョンとコントラストに、心洗われるひととき、でした。

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